第47回 コンピュータでの見積書 その1

 それでは例の見積り計算書の話にもどりましょう。私は日本語専用のコンピュータをやっと手に入れて、ハンが電卓片手に計算していた見積書をエクセルで計算できるように作り始めました。ハンはノートブックを持っているのにどうしてエクセルの効用を知らないのか不思議でなりませんでした。

 私はハンに、これは電卓で計算しなくてもエクセル上に数字を一つ一つ入れていけば、コンピュータが自動的に計算してくれるからと説明したのですが、ハンはそれを信用しませんでした。それでハンの作った見積書をたたき台にして、エクセル上に見積り計算式を作り上げ、数字を入れていくと、ハンが電卓をはじいて一生懸命書き込んでいた見積書があっという間に出来上がりました。

 それを見て、ハンはあまりうれしくなさそうでした。というのは、私がいとも簡単に作ってしまったということで、えらく自尊心を傷つけられたようでした。やはり自分の計算式のほうが正しいと言い張りました。小数点以下の数字が違っているというのです。

 これはハンの計算のほうが大雑把だからです。エクセルのほうが小数点以下の何十桁でも計算できるのですから、当然電卓で大雑把に計算したものとは小数点以下が異なってきます。私はエクセルの計算のほうが正確であると説明しました。

 ハンはわかった、わかったと投げやりな感じで渋々認めました。私はもっと素直にエクセルの素晴らしさを喜んでくれるものと思っていたので、ちょっとがっかりしました。

 今から考えると、ノートブックもあるのに、エクセルの使い方をまったく知らなかったということが皆に分かり、面子をなくしたからかもしれません。ハンもやはり中国人だったのです。

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