第111回 ポパイ総経理の求人旅行 その4
それからしばらくすると、かの地から10数名の若者がやって来ました。女性も数名おり、見たところなかなか頭のよさそうな若者ばかりでした。さすがポパイ総経理が直接行って選んだだけのことはあると思いました。
これら若者はだんだんと会社の仕事に慣れてきて、そしてある日のこと、次のように尋ねたのでした。
あのう、総経理の秘書はどちらですか?
えぇ?秘書?
はい、秘書のかたにお礼を言いたいので捜しているのですが・・・。どちらですか?
一体誰のことを言っているのか皆目分かりませんでしたので、いろいろと聞くうちに突然はたと悟ったのでした。ポパイ総経理は、かの地に秘書という妙齢のご婦人といっしょにやって来たのでした。
最初の夜、校長先生は遠路はるばるやって来てくれたポパイ総経理とその妙齢の秘書をえらく歓待して、乾杯をしたそうです。もともとポパイ総経理はお酒が飲めず、一杯で顔が真っ赤になってしまうのですが、かの地での歓待がよほど気に入ったらしく、二杯、三杯と飲んでしまい、翌日は完全にダウンしてしまったのでした。
かの地にやって来た主たる目的は、すぐれた人材を選ぶことですが、総経理は二日酔いでとてもできそうにもない状態でした。それでその妙齢なる秘書が面接と選抜を代行したのでした。そうして選ばれた若者は是非ともその妙齢なる秘書にお礼を申し上げたいと思い、秘書様を捜したのですが、どうしても見つからず私たちに尋ねたということだったのです。
かくして、ポパイ総経理の求人旅行の一部始終が全会社に知れ渡ることとなりました。なんていうことはない、愛人を連れて遊びに行っていただけのこと。でも、考えたら、その愛人はたいしたものです。プレスのプも知らないものが、プレス会社で必要とされる人材をよくも面接して選べたものです。
いやはや恐れ入りました。日本の企業であれば、悪事が露見したということで大責任問題になるのかもしれませんが、このことが全会社に知れ渡っても、別にいつもの通りに、ポパイ総経理は悠然としておりました。
考えてみたら、一人で行くより二人のほうが便利で楽しいから、このほうが合理的なんでしょうか。公私混同などと目くじらを立てるほうがやぼというのでしょうか。でも、みみっちいと言えば、みみっちい話です。大物のすることではありませんな。
これら若者はだんだんと会社の仕事に慣れてきて、そしてある日のこと、次のように尋ねたのでした。
あのう、総経理の秘書はどちらですか?
えぇ?秘書?
はい、秘書のかたにお礼を言いたいので捜しているのですが・・・。どちらですか?
一体誰のことを言っているのか皆目分かりませんでしたので、いろいろと聞くうちに突然はたと悟ったのでした。ポパイ総経理は、かの地に秘書という妙齢のご婦人といっしょにやって来たのでした。
最初の夜、校長先生は遠路はるばるやって来てくれたポパイ総経理とその妙齢の秘書をえらく歓待して、乾杯をしたそうです。もともとポパイ総経理はお酒が飲めず、一杯で顔が真っ赤になってしまうのですが、かの地での歓待がよほど気に入ったらしく、二杯、三杯と飲んでしまい、翌日は完全にダウンしてしまったのでした。
かの地にやって来た主たる目的は、すぐれた人材を選ぶことですが、総経理は二日酔いでとてもできそうにもない状態でした。それでその妙齢なる秘書が面接と選抜を代行したのでした。そうして選ばれた若者は是非ともその妙齢なる秘書にお礼を申し上げたいと思い、秘書様を捜したのですが、どうしても見つからず私たちに尋ねたということだったのです。
かくして、ポパイ総経理の求人旅行の一部始終が全会社に知れ渡ることとなりました。なんていうことはない、愛人を連れて遊びに行っていただけのこと。でも、考えたら、その愛人はたいしたものです。プレスのプも知らないものが、プレス会社で必要とされる人材をよくも面接して選べたものです。
いやはや恐れ入りました。日本の企業であれば、悪事が露見したということで大責任問題になるのかもしれませんが、このことが全会社に知れ渡っても、別にいつもの通りに、ポパイ総経理は悠然としておりました。
考えてみたら、一人で行くより二人のほうが便利で楽しいから、このほうが合理的なんでしょうか。公私混同などと目くじらを立てるほうがやぼというのでしょうか。でも、みみっちいと言えば、みみっちい話です。大物のすることではありませんな。
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