第31回 呉越同舟 その2
こんな二人ですが、どうして対立しているかというと、総経理の任期が3年契約で、もうあと数ヶ月で満了となり、次の総経理の椅子を両方が争っているからなのです。
今の総経理は更に続投してやりたいのですが、なんせ「おしぼり」で分かるように、頭がいいのやら悪いのやらつかみどころのない点があり、また、品質管理バカといいましょうか、自分の製品は絶対まちがいないと確信しており、客先からの不良クレームが来ても、全然客先の言い分を聞こうとしません。
日本のお客さんも総経理の対応にはあきれはててしまい、ハンの前任者に矛先を向けても、彼は日本語がさっぱり分からないので、困り果て、ハンが入社すると、今度はハンに集中攻撃をしてくるのです。いくらハンが日本語が達者といっても、中年の日本のおじさん族の話す日本語はなかなか理解できないところがありますので、これはやはり日本人でないと理解できないのではないかと思ったそうです。結局、それが私がこの会社に入る要因であったのです。
さて、総経理がこんなありさまでしたので、オーナーも続投させるにはもうひとつ能力不足だと分かっていましたが、かといって、副総経理にバトンタッチするには、やはり不安がありました。彼は決定的に日本語が分からないというハンディがありますから。
そんな訳で、オーナーが考えあぐねているところに、ハンが入社したのですが、ハンは副総経理が絶対的に欠けている日本語能力がありましたので、副総経理としては是非ともハンを味方につけたいと思ったのです。
ハンが入社してからすぐに副総経理はハンをカラオケへ連れて行って、女の子を世話してくれたそうです。カラオケの席で、おまえは誰のもとで働こうと思っているのかよく考えろと、なかば脅しのような感じで迫ったそうです。ハンは別にどちらにもつくつもりはありませんでしたし、どっちにしろ二人とは全然そりが合わないと分かっていましたから、適当につかず離れずの距離を保つことにしました。
今の総経理は更に続投してやりたいのですが、なんせ「おしぼり」で分かるように、頭がいいのやら悪いのやらつかみどころのない点があり、また、品質管理バカといいましょうか、自分の製品は絶対まちがいないと確信しており、客先からの不良クレームが来ても、全然客先の言い分を聞こうとしません。
日本のお客さんも総経理の対応にはあきれはててしまい、ハンの前任者に矛先を向けても、彼は日本語がさっぱり分からないので、困り果て、ハンが入社すると、今度はハンに集中攻撃をしてくるのです。いくらハンが日本語が達者といっても、中年の日本のおじさん族の話す日本語はなかなか理解できないところがありますので、これはやはり日本人でないと理解できないのではないかと思ったそうです。結局、それが私がこの会社に入る要因であったのです。
さて、総経理がこんなありさまでしたので、オーナーも続投させるにはもうひとつ能力不足だと分かっていましたが、かといって、副総経理にバトンタッチするには、やはり不安がありました。彼は決定的に日本語が分からないというハンディがありますから。
そんな訳で、オーナーが考えあぐねているところに、ハンが入社したのですが、ハンは副総経理が絶対的に欠けている日本語能力がありましたので、副総経理としては是非ともハンを味方につけたいと思ったのです。
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この記事へのコメント
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