第18回 コンピュータ名人の自宅

 技術部長から、コンピュータのインストールがすべて完了しましたから、取りに来てくださいと電話連絡がありました。コンピュータは技術部長の自宅にあるそうなので、ハンと私は教えられた技術部長の住むアパートへ向かいました。着いたときには、夜の6時ぐらいだったかと思います。アパートというので、たいしたことはないと思っていたら、20数階建ての巨大なビルでした。

 その何階かは忘れたのですが、エレベーターに乗って上がっていきました。その部屋をたずねると、なんと広々とした部屋でしょう。日本流にいえば3DKか3LDKのマンションでした。大きなベッドがあり、枕が二つ並べられてありました。こんな広いところに一人で住んでいるとのことで、自分の工場の一角にある部屋とは比べものになりませんでした。自分の部屋はまさしく「独房」そのものでした。日系と台湾系とではここらあたりが違うのかと一人納得しました。

 さて、コンピュータをいただいて早々に引き上げることにしました。そして、ドアを出たところで、今までに見たこともない美人に出くわしたのです。これはハンがそう言っていますし、私も確かにそう思いました。いや、本当に美人でした。背は私よりすこし低いかと思います。印象的だったのはその長い黒髪とぱっちりした目と、それから最も彼女を引き立たせていたその笑顔でした。

 私とハンを見るなり、日本語で「こんばんは」と挨拶し、それから技術部長の部屋に躊躇なく入っていったのです。その爽やかな印象にハンと私は一瞬顔を見合わせ、まるで魂が抜け出たような感じがしました。これは私だけでなくハンもそんな感じがしたそうです。まさか、彼女はもしかすると、あれ?と二人が同時につぶやきました。ベッドに二つあった枕が急になまめかしく感じられました。その帰りは、ハンと私はただただうらやましいの連発でした。

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