第7回 中国への第一歩

 中国の入国も実にあっけなく終わりました。社会主義の国に入るのだから、いろんなことを聞かれたり、疑わしそうな目で見られたりするのかと内心ドキドキしていたものですから、拍子抜けしました。それから、X線の手荷物検査機の中に私の全ての持ち物を通し、それで入国の儀式が完了です。

 通路に沿って歩いて行くと、再び香港人の流れに出会いました。一日の仕事を終えて中国側に戻る人、買い物のために中国に来る人、友人を訪ねるためにやって来る人たちでしょうか。誰一人としてスーツなんか着ている人はいません。ポロシャツにジーンズといったラフな服装の人たちばかりでした。その彼らの歩く速度の速いこと。ただひたすら競争するかのように歩いているのです。

 わいわいがやがやという騒音のなかを通り過ぎると、急に若い女の子がなんやかんやと物売りするために客呼びをしているのが目に入りました。これが中国でした。ともかく人、人でした。雑然といろんな人が目に入りました。イミグレから出てくる人に客引きをするのでしょうか。はるばる中国にやって来る友人、親戚を待っているのでしょうか。人であふれ返っていました。タクシーはどうだ、お金の両替はここだ、ジュースはどうだ、食事はここでできるとかなんとか、口々に言っているのでしょう。いろんな人がこちらに近づいては離れてゆくのです。

 ハンは見るからに痛々しそうに足を引きずって歩いており、私はその後をついてゆくだけでした。ものすごく緊張しておりました。大きな歩道橋を渡りきって、下に降りると、駐車場がありました。そうすると向こうから一人の男が走ってきました。ハンはやれやれというしぐさをしました。会社の運転手が迎えに来ていたのです。それを見て、私も緊張感が解けたのか、急に汗が出てくるのを感じました。このまま重い荷物と、足の痛いハンを連れて、西も東も分からない中国では、途方に暮れるだけですから。

 運転手は30代の見るからに人のよさそうな中国人でした。聞くところによると、この運転手は彼の乗用車ともう一台のトラックをまるごと月契約で会社に賃貸しているのだそうです。車は日産のサニーで、かなり古いのですが、日ごろの手入れがいいためか、快調でしたし、それに第一とても清潔でした。

 この清潔さというのは、中国人と日本人を分ける一つの指標のようなものではないでしょうか。中国人は大陸人なので、考え方がおおまかであるとよく言われておりますが、この清潔さという点に関してこそ当てはまると思います。日本人は、この清潔さに関してはとても敏感で、時には病的とさえ思えるほど気にする人もおります。

 中国人はあたりかまわず物をポイ捨てし、どこにいようが痰をカッ、ペッと吐き捨てます。初めてそれを見たら、おそらくおぞましいものを見たかのように、気持ち悪く感じるかもしれません。バス、タクシー、トラックの運転手はのべつまくなく、窓を開けて痰をカッ、ペッと外へ向かって吐き出します。ですから、バス、タクシー、トラックの運転手の窓側は注意して歩かなければなりません。いつなんどき痰のかたまりが飛んでくるかもしれないのです。

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この記事へのコメント

さくっち
2006年12月05日 18:32
あーそうですか

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